Netflix、皆さんは利用していますでしょうか?自分は利用していますが、やはり便利な時代になりましたね。なんてったってスマホ1つあればいつでもどこでも何種類もある映画を選択して鑑賞することができるのですから。自分も旧作を鑑賞する際には非常に重宝しています。
そして、Netflixといえばオリジナル映画が配信されるというのも強みの1つといえるでしょう。これは他の動画配信サービスと明確な差別化ができているポイントといえますね。そして自分もこのコンテンツを知ってはいたものの、鑑賞した作品は『エノーラ・ホームズの事件簿』と『泣きたい私は猫をかぶる』の2作品のみ。
そしてどちらも程よくインパクトが薄く印象に残りづらい作品ということで、Netflix作品にはそれほどのクオリティは期待していませんでした。しかし、今回はミュージカル作品ということで「映画館で先駆けてみる価値はきっとある!」と判断して映画館へ。とりあえず、やっている映画館は少なかったので探すのに苦労しました(;’∀’)
そしてついに見つけた映画館にて鑑賞しましたところ、上記2作よりも楽しむことができました。簡単な感想から入りますと、「詰め込みご都合感はあれど、ミュージカルとして音楽は楽しめた」という感じでした。
では以下で詳しくレビューしていきたいと思います。
あらすじ
インディアナ州の田舎町で、同性の恋人とプロムに行きたい女子高生を応援するために、落ち目のブロードウェイスターたちが町に乗り込んでくる。
ザ・プロム Netflix公式より
元ネタは舞台の『The・PROM』
この作品、Netflix映画ではあるものの、実際はブロードウェイで2019年に上映されたミュージカル『The・PROM』を映画に落とし込んだものなのです。そういったこともあって、今作のミュージカルを知らない人からは好評の声も多く、元のミュージカルを知っている人やある程度ミュージカル映画などに精通している人からはややもの足りないという声が強い作品になっていたように思えます。
実際、自分もあまりミュージカルに精通している方ではなかったため、鑑賞後の満足感は高かったですし、今もいい作品だったと思っています。しかし、これはミュージカルの映画化あるあるで「模倣は本家を超えられない」ということで本家が好きな方には物足りなく感じたと思いますし、自分自身も満足度は高かったものの、やはり他のミュージカル映画と比べると足りない部分もあるなと感じてしまう部分もあったため、今回は
・ブロードウェイでのミュージカルをご存じない
・ディズニー、『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』程度のミュージカル映画の知識はある
レベルのにわかの戯言を垂れ流していこうと思います。
歌って踊る役者陣が魅力的。
まあ、本家と一番違うところといえばそれは役者でしょうね。そりゃ舞台と映画ではキャスティングなんて全然違う。
しかしここに関してはNetflixさすが。本家とは違いながらも魅力的な役者陣をそろえてしっかりと差別化。まずはメリル・ストリープとニコール・キッドマンなどの大女優の方々。メリル・ストリープに関してはどんな役周りでも器用にこなしますねやはり⋯。ニコール・キッドマンもスレンダーで美しい。そしてミュージカルシーンでもその安定感は抜群でした。
そして、今回この作品の中で最も印象に残った役者が2人。それが、LGBTという境遇でエマの思いに寄り添えるブロードウェイスターのバリーを演じたジェームズ・コーデンと今回の主役ともいえる女子高生のエマを演じたジョー・エレン・ぺルマンですね。
今年公開されたもう一つのミュージカル映画『CATS』でも紳士な猫の役を演じていたジェームズ・コーデンですが、今回改めて見てみても歌って踊るのがうまい。ミュージカルでの存在感が強くなっていました。なので彼の出ているミュージカルのシーンは他のシーンよりも楽しめましたね。特に車の天井から身を乗り出して高らかに歌い上げるシーンは必見です。
そのうえ、エマ役のジョー・エレン・ぺルマンのミュージカルシーンは新人でありながらもその歌声のフレッシュさや繊細さもあり、強烈に印象に残ります。彼女は今作が初の映画作品ということで今後に期待していきたくなりました。
難しいテーマ。なのに明るい
今作は社会的課題であるLGBTQという重いテーマを取り扱っているのですが、それでも全体的に明るい雰囲気でストーリーが進んでいきます。その明るさがとても楽しい。重いテーマではあるもののそういった点でとても見やすい内容となっています。特に序盤はブロードウェイスターたちのコミカルなシーンが多く、トロフィーでスイートルームを取ろうとするくだりやアリーナを貸し切ったくだりに関しては思わず笑ってしまいました。
ただ、この点に関しては後に挙げる問題点にもつながってしまうのでとても良かったとは言い切れませんが、変に重苦しくせずにコミカルなシーンも織り交ぜた楽しいミュージカルに仕上げた点については個人的好みであったので良かったように感じます。
ミュージカルはくどさあり。されどない場面はやや冗長
しかし楽しい作品に仕上がっていたとはいえ問題点もあります。それがミュージカルのくどさ。
「いや、ミュージカル映画なんだからミュージカルシーンは多くて当たり前だろう」と考える人は多いとはおもいますが、ディズニー映画や『ラ・ラ・ランド』などの他のミュージカル映画だと曲を詰め込みすぎることなくストーリー形成ができているため、この作品だとややミュージカルが多すぎるように感じてしまいました。曲が1つ終わったと思えばまた数分と経たずに曲が始まる。そんな状況が多かったように感じます。
とはいえ、ミュージカル自体始まってしまえば楽しめるものばかりであったため個人的にはこの部分は少々気になったものの一概に悪い部分であったとは言い切れなかったと思います。しかし、もう一つの問題はミュージカルシーン以外のシーン。ここがおざなりになってしまっている感じが強かったです。
この作品では登場人物のほぼ全員にそれぞれフォーカスを当てたエピソードが盛り込まれているのですが、これがやや印象に残りづらい。ミュージカルのパワーが強すぎてストーリーのテンションがそこに追いつけていないという感覚が強い印象の作品となってしまっていました。
詰め込み・ご都合的脚本
ミュージカル作品ということでこの部分に関してはやはり好き嫌い別れる部分だろうと感じるのがこの作品。まずミュージカルは歌やダンスが中心となっているということからストーリーが薄くなりがちです。そしてこの作品に関しても「難しいテーマを扱っている」という強みがあるものの、ミュージカルの勢いで内容の薄さをカバーしているような印象を全体的に受けました。
特に終盤からの展開に関してはツッコミどころが多く、子供たちの物分かりがよすぎる点やエマがあげた動画の視聴回数の異常な速さでの上がり方、アリッサの複雑な親子関係の超高速での解消等本当に勢いで全部解決させた感じが強く、詰め込むだけ詰め込んだエマ以外の物語を強引に消化した感じは否めませんでした。
そして、全体的に明るくしようとしたことによってブロードウェイスターたちのエマを助けようとする気持ちが若干軽く見えてしまったのも個人的に少し気になりました。序盤、エマの抱えるLGBTQの問題を解決する手助けをしようとしている時、よこしまな思いの手助けをしようとしているディーディ―には少しもやっとしましたし、その後も校長とのラブストーリーが展開されたり本筋とは違う話にばかりフォーカスがあてられる為、彼女のエマを助けるという思いに対する変化の見えにくさは引っかかる部分でした。
ただすいません。そんな問題を抱えるストーリーではありましたが、自分自身まんまとその勢いに持っていかれました(^▽^;)
やっぱり音楽とダンスの力って偉大やね(((uдu*)。
まとめ
そういった点を総合的にみて今回のこの作品の自分の満足度は
100%中・・・87%
でした!
ミュージカルシーン以外の冗長さ、ご都合的脚本等いろいろと問題はあれど、ミュージカルパートはしっかりと楽しめる作品になっていましたし、なんだかんだ勢いですべて持って行った感じの作品に仕上がっていたので個人的には満足度の高い一本になったと思います。これはブロードウェイバージョンの物も見てみたいなと思わせてくれる作品でした。
それにしても今年はほとんどミュージカル映画を見れてなかったのでこんなチャンスが巡ってきてくれてありがたかったですね。『CATS』もミュージカルでしたが、あまりにもあの見た目が受け付けなくて(;’∀’)。え⋯?ヲタ恋?知らない子ですね()
そして、この作品は12/11日からNetflixで配信されるため、映画館で見らなかった方もNetflixに入っていれば見ることができます。なので興味を持ってくださった方はぜひぜひご鑑賞ください。
そしてNetflix映画といえば『シカゴ7裁判』という作品がよく話題に上がりますね。あとはデヴィッド・フィンチャー監督の『Mank』とか。この辺りも興味ある方はぜひご鑑賞ください。自分もまた近日中に鑑賞できればと思っております。
ではでは(^^)/
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