(ネタバレなし)crystal版SuperS。『セーラームーンEternal前編』鑑賞・レビュー

ラブストーリー映画ファイル

登場人物紹介

トルテ

秘密結社M・I・A所属の男。
自称スパイらしいが真偽は不明。
タキシード仮面の遠い親戚だとか。

ミルフィ

秘密結社M・I・A所属の女。
トルテの右腕となる存在。
セーラーマーキュリーに憧れて勉強を頑張った過去が。

改めて映画調査ファイル区分がこちら

映画調査ファイル区分

S⋯今年最も印象に残った調査

A⋯かなり印象に残った調査

B⋯いってよかったと思えた調査

C⋯可もなく不可もなくな調査

D⋯あまり良くなかった調査

E⋯苦戦を強いられた調査

ムーンプリズムパワー⋯⋯メイクアップ!!

トルテ
トルテ

こちらトルテ。ミッションコンプリート。

ミルフィ
ミルフィ

こちらミルフィ!今回の調査内容⋯。

MISSION

新しくなったセーラー戦士の戦いを刮目せよ。

ミルフィ
ミルフィ

私に心当たりがあるのですが⋯、こちらの作品の調査だったのですか?

トルテ
トルテ

ん?ああ、そうだが。知っていたのか?

ミルフィ
ミルフィ

もちろん!セーラームーンは私たちの憧れですから!

トルテ
トルテ

そうか。確かに『セーラームーン』シリーズは女性人気の高い作品だからな。

ミルフィ
ミルフィ

はい!!では調査報告お願いいたします!!

あらすじ

今世紀最大の皆既日食で街がお祭りムードに包まれる中、月野うさぎとちびうさは、ゴールデンクリスタルの封印を解く“乙女”を探すペガサス・エリオスから助けを求められる。時を同じくして、デッド・ムーンサーカスと名乗る謎のサーカス団が街に出現。彼らの狙いは、悪夢の化身レムレスをばらまいて“幻の銀水晶”を手に入れ、月と地球、さらには宇宙をも支配することだった。エリオスから“乙女”と呼ばれ、自らを必要としてくれる彼に淡い恋心を抱くちびうさだったが……。

映画ドットコムより引用
ミルフィ
ミルフィ

「美少女戦士セーラームーン」の劇場版作品は25年ぶりとなっています。原作コミックの第4期、デッドムーン編を映画化した作品となっております。

原作者の武内直子さん総監修のもと、『美少女戦士セーラームーン Crystal』の第三期に引き続き今千秋さんが監督を務め、「美少女戦士セーラームーン」などセーラームーンシリーズで数々のキャラクターデザイン・作画監督を手がけた只野和子さんが今回のキャラクターデザインも担当しております。

現代受けを狙ったキラキラ作画

ミルフィ
ミルフィ

こちらはおなじみのセーラームーンとセーラーチビムーンですね?昔のセーラームーンの時とは作画がだいぶ違う印象⋯。

セーラームーンcrystalの時にも思いましたが、やはり現代でウケそうな作画で描かれていますね。

トルテ
トルテ

まさしくその通りだ。セーラームーンは現代の少女向けアニメに近しい作画が意識された作画となっている。

近年は『プリキュア』シリーズや『アイカツ』シリーズを始めとした多くの少女向けアニメーション作品シリーズが生まれている。そしてそんな作品が生まれている中、セーラームーンをリメイクしようというのだから、作画はそういった現代の少女向けアニメを意識したようなキラキラした滑らかな作画となっており、現代の女児ウケが良さそうなものに思える。

また、crystalのTV放送の時とは今回は違っており、制作には『薄桜鬼』シリーズなどの制作も手掛けてきたスタジオ・ディーンと東映アニメーションの共同制作となっており、一時期crystalの放送時に叫ばれていたような致命的な作画崩壊などはなく、全体的にバランスの取れた現代風の作画となっている印象だったな。中でも変身バンクの美しさは目を見張るものがあった。

魅力的な敵『デッドムーンサーカス団』

ミルフィ
ミルフィ

今回の敵はcrystalの続きであることを考えると、やはりSuperSの「デッド・ムーン」でしょうか?

トルテ
トルテ

そうだ。今回の映画のヴィランはサーカス団として暗躍する「デッド・ムーン」の一味。そしてその中でも今回はアマゾントリオと4人のセーラー戦士にフォーカスを当てた作品となっている。

今回のヴィランはSuperSでもおなじみの「デッド・ムーン」の一味。もちろんアマゾネスカルテットやアマゾントリオなどの主要キャラは健在ではあるものの、テレビで放送していたような細かなエピソードはないため、アマゾントリオたちとセーラー戦士の戦いを中心に今回の映画の物語は作られている。

そして今回の敵であるアマゾントリオだが、それぞれが個性的なキャラで面白い。この点に関して気になる部分もあったものの、ホークス・アイは今回のテーマである「夢」というものにつながりのあるキャラなのが魅力的に感じた部分だな。あの短時間でもそれぞれ魅力を持ったキャラにできていたのはさすがな点だ。尚、タイガーズ・アイの声優は今現在も公開中の『鬼滅の刃 無限列車編』で話題の煉獄杏寿郎役をやっている日野聡が務めているため、聞き比べてみるのも面白いだろう。

セーラー戦士4人の「夢」を描く

トルテ
トルテ

先述の通り、この作品のテーマは「夢」。今回は4人のセーラー戦士それぞれが「自分の夢はなんなのか」という壁にぶつかり、その壁を越えていく様子が描かれている。

ミルフィ
ミルフィ

確かに夢がテーマの作品であるという情報は聞いていましたが、4人分の「夢」についてのエピソードを入れるんですか!?ということはもしや⋯。

この作品の中では「夢」というテーマをセーラー戦士4人を通して伝えてくるため、メッセージ性は極めて伝わりやすい。子供でも大人でも楽しむことができ、夢について考えさせられるだろう。特に受験や就職を控えているような学生に突き刺さるようなエピソードが詰まっている。

このテーマを短時間で、なおかつわかりやすくまとめ上げたのは評価できるポイントのように感じる反面、1つ1つのエピソードが薄く感じてしまったことや、次の項目で挙げるような現象が起こってしまっていたことは残念であった。

SuperSのダイジェスト

ミルフィ
ミルフィ

『ドラゴンクエストユアストーリーズ』や『約束のネバーランド』のようにダイジェスト感の強い作品になってしまったのですか!?

トルテ
トルテ

そう⋯。問題はそこだ⋯。そのたった一つの問題が作品全体のバランスを致命的に崩すことになってしまっている感じが強くなっている⋯。

こういった大作を映画化すると必ずといっていいほど起こるのがダイジェスト的作品。そして今回の作品でも例外なくその悪い点が出てしまっていた。まず、導入からの早すぎる展開だ。導入部分では「うさぎとちびうさが新たなキーアイテムを手に入れる」「町の中で変身できなくなる」「エリシオという謎の声が聞こえるようになる」などの情報が出てくるのだが、展開があまりにも早すぎるため、「速攻で武器になるキーアイテム」「変身できないはずが克服が早すぎて実感がわかないという現象」「エリシオの声の特別感の薄さ」などの違和感を強めることとなってしまっていた。そのため、話にはついていきやすいものの、展開の速さに困惑させられる可能性は高いだろう。

そして、そのダイジェスト感の強さが引き起こす展開の速さは戦闘面の盛り上がりや葛藤の克服にも影響を及ぼすこととなってしまっていた。4人のエピソードを詰め込むということで、バトルに関しては変身して数分であっけなく終わってしまうため、拍子抜けなイメージが強い。それに加えて、夢についての4人の葛藤を克服する速度も速すぎるため、それぞれのエピソードのカタルシスは非常に弱いように思えてしまう。テーマの魅せ方やシンプルな伝え方が良かっただけに、そういったダイジェスト感の強さが多くの違和感を生み出してしまっているのは残念だったな⋯。この作品はそれこそさらに2作品に分けて2人ずつのエピソードをより濃く描いていればテーマに対するアンサーの強い作品になったのではと感じる。。。

前編だけだと総合評価を下しづらい

トルテ
トルテ

だが、この作品だけで総合評価を決めるのは難しい。

ミルフィ
ミルフィ

確かに、アマゾネスカルテットやジルコニア、ネヘレニアとの最終決戦が控えているのは後編の予告からも明らか。後編はそういったバトルにも期待できる分、楽しみも増しますね。

今回は兎にも角にも前編。前編ゆえに単体の作品だと微妙に感じても後編と合わせてみると一気に印象が変わる作品も少なくはない。故にこの作品に関しては現段階ではやや微妙といわざるを得ないが、後編と合わせてみた際の伸び幅にはかなり期待できる作品だろうな。

まとめ

ミルフィ
ミルフィ

セーラームーンをこんなきれいな作画で再び見れるというだけでこの作品にはかなりの価値があると思います!!!故にAのファイルに保存しましょう!!

トルテ
トルテ

待て待て待て!!!確かにセーラームーンに思い入れがあるのはわかるが、今作だけで判断するのであれば現段階ではD、良くてCではないか!?

ミルフィ
ミルフィ

⋯⋯調査費用、カットしましょうかね?

NEXT MISSION

さんかくの窓の外側を調査せよ

コメント

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