登場人物紹介
トルテ
秘密結社M・I・A所属の男。
自称スパイらしいが真偽は不明。
調査中はスマホの電源はオフ。
ミルフィ
秘密結社M・I・A所属の女。
トルテの右腕となる存在。
トルテ専用の位置情報アプリ「MIAMAP」を開発。
本ブログでは映画を調査ファイルとして以下の基準で分類しております。
映画調査ファイル区分
S⋯今年最も印象に残った調査
A⋯かなり印象に残った調査
B⋯いってよかったと思えた調査
C⋯可もなく不可もなくな調査
D⋯あまり良くなかった調査
E⋯苦戦を強いられた調査
やってきましたスマホネタ
こちらトルテ。ミッションコンプリート。
ご苦労様です。今回のミッション、スマホが絡んでいそうでしたが?
MISSION
7人の男女とスマホの物語の行く末を見届けよ
ああ。今回はスマホを題材にした作品のミッション。そして今回のミッションの正体はこれだ。
「おとなの事情」。なるほど、何やらおとなの世界を描いたような作品の調査のようですね。
ああ、そうだが⋯どうもこの作品は題材は面白いにも関わらず全体的にもやもやさせられるような作品になっていた。
ふむ。では詳しく聞いていきますね?
あらすじ
ある出来事をきっかけに結びつき、年に1度集まっている3組の夫婦と1人の独身男性。今年も楽しい時間を過ごすはずだったが、1人の参加者の発言をきっかけに、それぞれのスマホに届く全てのメールと電話を全員に公開するゲームをすることに。後ろめたいことは何もないと言いながらも、実は全員が絶対に知られたくない秘密を抱えており、自分のスマホが鳴らないことを祈っていた。スマホに着信があるたびにパーティは修羅場と化し、事態は予測不能な方向へと転がっていく。
映画ドットコムより引用
事前調査によりますと、こちらの映画は世界18か国でリメイクされているというイタリアのコメディ映画を今回日本でもリメイクしたという作品のようです。監督はフジテレビのドラマ演出家として数々の名作に携わり、今作が3作品目の映画監督作である光野道夫監督、脚本は『8年越しの花嫁』などで脚本を務めた岡田惠和さんが務めています。
着信音で物語が動く
今作のあらすじで想像できる見どころといえばやはり⋯
ああ。スマホの着信音が物語を動かすトリガーとなっている部分だな。
今作では7人の男女が「夫婦の間にはやましいことがないことを確かめたい」という1人の女性の提案により、独身男性含む夫婦3組が全員パーティの場にスマホをさらしあうというゲームが始まる。そして、スマホをさらすということは大小にかかわらず、個人情報が一気にその場の全員に知れ渡ることを意味する。故に自身の大きな秘密がばれてしまうかもしれないという緊張感が全員に生まれる。
そして、そんな緊張感の中で鳴り響くスマホの着信音が物語を動かすトリガーとして大きな役割を果たしている。スマホの着信音にこの役割を持たせるというアイデアは面白いと感じたな。
スマホだけでなくこの7人の関係にも注目
ですが、この7人の男女にはあまり共通点が見受けられないのですが⋯。
そう。そこもこの作品の見どころの1つだ。
この作品の予告編の段階で多くの人は「この7人はどうして集まっているのか」「こんなゲームがどうして始まったのか」という疑問を持つと思う。そして、この作品のスマホの着信による物語以外の魅力はそういった点にある。
このゲームが提案されるに至った真実、そしてこの7人の関係性などがストーリーが進んでいくにつれてみえてくる。スマホでの秘密の暴きあいだけで終わっていないのもよかったと感じたポイントだ。
音楽と役者陣は良き
そして、役者陣は全体的に良かったように感じた。そして作品全体の音楽に関しても、あの軽快な感じの音楽が作品のコメディの雰囲気にマッチしていて好みではあったな。
今作では東山紀之や常盤貴子などの7人の役者陣がメインでの物語がずっと続いていくのだが、それぞれが真実を知った時の焦りの表情やキャラ立ちがしており演技についてはしっかりとしていたように感じる。特に淵上泰史の軽い男の役柄は鑑賞前はあまり注目していなかったものの、鑑賞してみて予想以上にいい演技であり、どこか憎めないペラ男という感じに仕上がっていた。
そして音楽に関しては三谷幸喜監督作品のコメディ映画を想起させるような軽快な音楽であるため、個人的には今回の大人のコメディ作品にとってはベストマッチだったのではないだろうかと感じたな。
あまりにヘビーな題材ばかりで笑えない
なるほど、では重要なことを聞きますが、コメディ作品としてはどうでしたか?
ああ⋯、その点に関してなんだが⋯内容があまりにヘビーすぎてびっくりするほど笑えない⋯。
まず、この作品はとある重いテーマにも踏み込んだ作品となっている為、そのテーマを笑いどころに持っていこうとする場面があまりにヘビーすぎて笑えない。他にもぎすぎすした感じが妙にリアルな為笑うに笑えない状況が作られてしまうというコメディ作品としては致命的な部分も見受けられた。
また、最初の7人の軽い紹介をする演出が入るのだが、そこである程度どんな秘密をそれぞれが抱えているのかが予測できてしまう為、すべてが予測の範疇を出ずに驚くような展開もなく終わってしまったため、あっけにとられたな。もう少しひねりのある展開も持ってきてほしかった。
男女で偏った描写
あと、この作品は「男女それぞれの秘密が暴かれていって、場がぐちゃぐちゃになっていく」という作品だと思っていたんだが「男の秘密を徹底的に非難し、女の秘密は許される」というような印象を受ける描写が多々見受けられた。
なるほど、そんなに⋯ですか⋯。
今回の作品は「スマホを通して男女両方がそれぞれ秘密を暴かれる」というのが肝となっている。そして、男性のだらしない部分や秘密にしておきたい部分に関する描写はしっかりと描かれ、それに関して非難を浴びている。だが、女性の方に関しては秘密が暴かれることなく常に優位の状況が続く。
特に中盤、ある女性のとある問題が発覚したときなどはそのことに関して男性が非難すると、別の女性が男性をビンタする始末。「女性の嘘は咎めるな」ということだろうか?「男の方より小さい秘密なんだから別にいいでしょ」と開き直られても共感できるはずもなく⋯。大小の問題じゃないだろう⋯。
そして、年配夫婦の話はもっとひどい。家庭の雰囲気を壊さないためにとうまく立ち回っていた夫が妻の勝手な推測で一方的に非難される。妻の方にも問題があるにも関わらず、その点を鑑みるようなことは一切しない。すべてを夫のせいにして自分を被害者のようにふるまうその姿には嫌悪感さえ覚え全く笑えなかった。そもそも、この人の犯したことはもう一人含め例外なく非難されるべきなのだが、なぜかあっさり終わる。
まとめ
以上が今回の報告だ。正直、設定は面白いのでもっとやりようがある作品のようには思ったんだが⋯⋯。
⋯⋯⋯⋯⋯⋯さっきFAXで送られてきたこの詳細なネタバレの内容⋯、本当なんですか?
⋯⋯ああ。今回のはあまりに難ありの調査に感じたので送らせてもらった。
すいませんが私でもこの内容はヒきます。これはEの調査ファイルに保存しておきます⋯⋯。コメディ映画でこれはダメでしょう⋯。
NEXT MISSION
終わる終わる詐欺で有名な万事屋が、今回本当に終わるかを調査せよ
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