※改めまして映画調査ファイルの区分はこちら。
やけに楽しそうだな。
え?わかります~?実は明日、ファン・アイランドのビーチに行くんです!
ああ、あの恐竜やサメがウヨウヨいるところか。
きょ⋯!?サ⋯!?どういうことですか!?
ああ、今回調査した映画を見る限りはそこへのリゾートはおすすめしない。
そ、そんな⋯。最後の夏の楽しみが⋯。
『MEG ザ・モンスターズ2』
潜水レスキューのプロ、ジョナス・テイラーは、海洋調査チームとともに地球でもっとも深いとされるマリアナ海溝へと潜り、人類未踏の約10キロの深海へと向かう。そこで彼らは謎の生命反応を探知し、触れてはならない恐怖を目覚めさせてしまう。それは見たこともない大きさとどう猛さで生態系の頂点に君臨する巨大ザメ=MEG(メグ)の群れと、さらなる巨大生物たちだった。それらはやがて深海からビーチにまで襲来し、テイラーたちは絶体絶命の危機に陥る。
MEG ザ・モンスターズ2 : 作品情報 – 映画.com (eiga.com)より引用
あらすじはこんなところだ。
ジェイソン・ステイサム演じる潜水レスキューのプロのジョナス・テイラーが海洋調査チームに同行し、深海の調査を進める。だが調査チームの内部に工作員が潜んでおり、そのせいでメガロドンが潜む深海に放り出されたジョナス一行は地上へ戻るために死闘を繰り広げるというような物語だ。
この作品は深海と海上と陸上の3つを舞台にしており、ストーリーが進むにつれて戦う対象が増えていくのも見どころだ。
調査の手ごたえ
大人が大金をふんだんに使ってバカをやり通した作品だ。前半の微妙さも、これならまだ許せる。
前作『MEG ザ・モンスターズ』は製作費1億3000万ドルから、『JAWS/ジョーズ』越えの5億3000万ドルの興行収入を叩き出し、海洋パニック映画史上最大の興行収入を記録するブロックバスター映画として大きな成功を収めた。
その続編にあたる今作も製作費は1億3000万ドルと前作同様大金がかかっており、全世界興行収入についても2023年8月8日の段階で1億4200万ドルを叩き出しており、日本公開前からすでに黒字が見込まれるヒット作となっている。
そんな『MEG ザ・モンスター2』だが、はっきり言って序盤は苦行じみた仕上がりに落胆したが、後半は前作の弱点を補完した素晴らしいモンスターパニック映画となっていた。
これをサメ映画と括ってしまうのは後述するがふさわしくない。だが前作同様ステイサム映画としての完成度はさらに上を行っており、ステイ“サメ”映画ということはできるかもしれないな。
調査ポイント
- 深海パートで盛り上がりも海の底へ
- 前作の惜しい点を補完した凄惨なビーチ
- ステイサムを全身で感じる4DXライド感
というわけで1つずつ見ていこう。
深海パートで盛り上がりも海の底へ
で、でもマリアナ海溝・深海への旅ツアー付きって書いてましたよ!?さすがに深海なら⋯。
残念ながら深海でもメガロドンはいる。むしろ成すすべなく食われるだけだから絶対にやめておけ。
ですよね~。まあちょっと深海って暗くて面白くはなさそうなのでノーダメージですけど⋯。
あらかじめ伝えておくが、この作品は面白くないわけでは決してなく、今月調査した作品の中ではかなり上位に食い込むレベルには楽しめた作品だ。
だが前半のパートは養護不能のつまらなさだ。前作のつまらない部分を煮詰めたような仕上がりになっている。
前半は深海での調査がメインとなる場面なのだが、メガロドンの襲撃を不意を衝くジャンプスケアを適時挿入してくるため、程よい緊張感を持ちながら見れるのだが、序盤の見どころはそこしかない。
それ以外はステイサム周辺の人間ドラマを冗長に描きつつ、内容も無駄に入り組んだものになっていてストーリーが頭にほとんど入ってこなかった。また、深海でのアクションも多数盛り込んではいるものの暗くて見づらい映像と無駄に多いカット割りで観る側としては大きなストレスだったな。
後半では敵対組織とジョナスの娘であるメイインに対する対比としてこの人間関係は活きてくる部分ではあるものの、それにしてもサメ映画にも関わらずほとんどサメを活かせておらず、ステイサムの魅力も薄い前半は本作とは全くかみ合っていなかったな。
前作の惜しい点を補完した凄惨なビーチ
私も前作の調査は覚えていますが、メガロドンは小食で全然人間を食べてないですよね!なら⋯!
安心しろ。今作では滅茶苦茶人を食いまくってる。メガロドンだけじゃなく恐竜にも食われるぞ?
ああ⋯。もう⋯、どうして今回から大喰らいになっちゃうんですかね⋯。
前半はそんな調子で面白くなる兆しが一向に見えずに幾度となく睡魔との戦いを課せられたが、後半からは見違えるほどの作品となっていた。
後半は深海パートとは打って変わって、敵対組織と恐竜、クラーケン、そしてもちろんメガロドン(しかも3体)とふんだんにモンスターや人間でフィールドをかき回したファン・アイランドというビーチでの死闘が勃発する。ここの優雅な雰囲気が地獄絵図に染まる落差は流石に面白い。
メガロドンはもちろん大量虐殺の主犯となり、敵対組織やビーチのリゾート客たち、ステイサムたち人間に牙をむくのだが、それ以外にも小型の恐竜どもやクラーケンが人間サイドを陸上、海上で襲いまくる。まさにサメ以外も全部乗せの海鮮丼だ。
そうだ、これでいい。サメ映画とは言い難い物量をぶち込んでいるが、これぐらいぶっ飛び、モンスターによるすがすがしくも理不尽すぎる虐殺が炸裂するからこそこの手の映画は面白くなる。
前作ではかなりおとなしめの暴れ方で見せ場がステイサムに食われていたサメも大食漢となり、それが3匹になったのだからもう止まらん。フィールドについても前半のように入り組んだ感じはなくすっきりしていて見やすい。B級のお手本のような仕上がりだったな。
ステイサムを全身で感じる4DXライド感
ファン・アイランドのビーチに行くのは危険だが、ステイサムと行くなら心配はない。
それって今回の映画の話ですよね?映像だけじゃ満足できません。
いや、この作品の躍動感はもはやアトラクションだ。4DXと組み合わせればもはや少し危険な海のバカンス気分に浸れるぞ。
先程まではメガロドンたちモンスター側を褒めるような話題ではあったが、もちろんステイサムも負けていない。今回の彼も前作から大きく進化したメガロドンとの死闘を見せてくれる。
前作ではメガロドンを2匹相手にして見事勝利を収めた彼だが、今回は3匹のメガロドンと戦うことになる。深海パートでは直接対決ではなく、メガロドンとサメの群れから逃げる彼だったが、地上に出てからの彼はもう止まらない。
3匹のメガロドンとステイサムがなんと生身で戦うのだ。今回は海上に出てからは水上スキーと限られた本数しか準備できていない爆弾を巻き付けた銛だけでサメたちに立ち向かう。
ここで水上スキーを乗りこなし、波に乗りながらサメに立ち向かう彼の様子をとらえた躍動感あふれるカメラワークは、アトラクション感を存分に発揮し、まるで我々がステイサムと共にサメに立ち向かっているような錯覚を生み出してくれる。
メガロドンの3匹討伐。それにフィールドモンスターとしてクラーケンと小型の恐竜を配置、そして数名での協力プレイやモンスターの仲間割れを利用して倒していく。これはもはや『モンスターハンター』の実写映画よりはるかに『モンスターハンター』だ。
メガロドン相手に「来いよ、化け物」と言い放つシーンもあるが、正直メガロドンと渡り合える彼の方が化け物だろうと思ってしまうな。
最後に
以上が今回の報告だ。改めて言うが、海に行くならサメには気を付けろ。
そ、それでも私は行きますよ!?
わかったわかった。
翌日
ん⋯?行ってないのか?
いやぁ~、暑すぎてやめました。この暑さ、人が出歩く暑さじゃありませんよ。
なんじゃそら⋯。
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