※改めまして映画調査ファイルの区分はこちら。
うーん⋯。
どうした?頭を抱えて。
今月の調査記録、どれもぱっとしないんですよ!
な⋯、なるほど⋯。確かに本部に報告するのも億劫だな。
上半期に上物の調査を報告できていたので大丈夫かと思いますが⋯。
とりあえず今月の調査を振り返りましょう。
8月の総評
これぞという作品はありません。せっかくの夏休み本番なのに⋯。
「最高!」といえる作品はありません。『マイ・エレメント』はその表現力とアイデアに膝をうちましたがそれ以外は偏愛枠はあれどぱっとしない。
サイドメニューは充実しているんですがメインディッシュが出てこない。そんな感覚なんです。
メインディッシュがないとやっぱり他がどれだけおいしくても物足りないですよね⋯。
しかも今回は2作ほど我々の好みからかけ離れたものもあるんです。だからこそ、いまいちパッとしない印象を憶えてしまいますね⋯。
1作目『マイ・エレメント』
こちらは調査報告も作成した分の作品なので詳しくはこちらのリンクに貼っておきます。
エレメント達が住まうエレメントシティで、炎のエレメント・エンバーと水のエレメント・ウェイドの運命的出会いと徐々に心を縮めえていく様子を描いたラブストーリーですね。
触れたくても触れられないもどかしさとエレメントの特性を活かした演出の数々は一級品。とはいえ、予定調和のラストがベタ過ぎて乗り切れない部分もありました。
吹替の川口春奈さんと玉森裕太さんの演技は本業顔負けのハマりっぷりで驚きました⋯。
2作目『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 とべとべ手巻き寿司』
クレヨンしんちゃん映画初の3Dアニメーションの映画ですね。
ある日白い光を浴びて、超能力を使えるようになったしんちゃんが超能力を研究する謎の組織と共に、もう一方の黒い光を浴びて超能力を悪用する青年を止めようとするファミリーアニメです。
3Dアニメーションから繰り出す奥行きを駆使したサイキック演出は光っているものの、脚本の着地が若い世代に向きあう気のなさが露骨に出た最悪。先の見えない世の中で「君たちはどう生きるか」を問うて、そのアンサーが「頑張れ」での丸投げとは⋯。
アトラクションのようなアニメーションと子供向けと思えない角度からの語り口は良かったです。
3作目『バービー』
こちらについても調査報告を作成した分の作品ですね。
幸せな日常が続くバービーランドに住むファッションドールのバービーと恋人のケン。ある日、バービーに起きた異変を解決するために2人が人間界に行く様子が描かれます。
可愛いを発信してきたバービーだからこその個性を尊重し、フェミニズムにもマチズムにも偏りすぎない表現は流石の一言。
しかし終盤はその主張を全面に出しすぎて冷める結果に。
バービーとケン、それぞれのミュージカルも見どころですよ!
4作目『ミンナのウタ』
GENERATIONSが本人役で主演したホラー映画ですね。
「さな」という少女がラジオ番組に送ったカセットテープを皮切りにGENERATIONSメンバーが次々に怪奇現象に巻き込まれ、その謎をマキタスポーツさん演じる元刑事と彼らが追うという話です。
比較的マイルドに仕上がったJホラーで、終わってみればやや物足りない感じもあるものの、ホラー版『ONE PIECE FILM RED』のようなプロットは流石に好みドストライク!
今年を代表する偏愛枠の1つです。
メンバーのうち数原龍友さんはLIVEシーンのみ登場。人数が増減するこの現象もある意味怖い⋯。
5作目『SAND LAND』
『ドラゴンボール』の原作者として知られる鳥山明さんの1巻分の漫画を3Dアニメーションで映画化した作品ですね。
魔物と人間が水不足に陥っているサンドランド。ここでラオという保安官が悪魔の王子・ベルゼブブとそのお目付け役魔物のシーフと共に、国の水不足を解消するために『幻の泉』を探す旅に出るという話です。
ワクワクさせるキャラ造形や世界観、やるときはやるストーリー展開と往年の鳥山明作品の魅力が詰まった作品なものの内容は微妙。
驚く展開もなく、過剰な説明ゼリフとあざといギャグの連発に中盤で辟易としました⋯。
アニメーションも、近年のアニメ作品の台頭を考えるとアドバンテージになり得ないのは残念です。
6作目『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』
こちらも調査報告を挙げた作品ですね。難解なので解明しきれていない作品ですが⋯。
「加速進化症候群」という病気を患い、体内で新しい臓器が作り出される体質のアーティスト・ソール。そんな彼が、プラスチックを生前食べていたという少年の遺体の解剖を依頼されるというストーリーですね。
難解であり淡々とした会話劇が続くため眠気を誘うものの、薄気味悪い質感の世界観は謎の魅力でこちらを引き込んでくる。
芸術とは、人間とは、社会とはといういくつもの題材を織り交ぜて唯一無二の近未来体験ができる改作です。
独特のエグみある映像と錯綜する情報量に脳が破壊されそうになります⋯。
7作目『MEG ザ・モンスターズ2』
こちらも調査ファイルを作成した分の作品ですので以下にリンクを貼っておきます。
ジェイソン・ステイサムが超巨大ザメ・メガロドンと戦う、お金をかけてB級感溢れるバカさ加減もいい味を出していた『MEG ザ・モンスターズ』の続編ですね。
前作同様、人間パートはスローペースのストーリー展開に加えて深海の暗い描写からくる、何が起こっているかわかりづらいアクションパートは壊滅的につまらなかったものの、後半のサメ映画の枠を超えたモンスターパニックはテンションが上がります!これを見ないと夏は終われません。
ステイサム以外のアクションもキレッキレで面白いですよ。
8作目『リボルバー・リリー』
製作費は10億円以上、予告から漂う大型スパイアクション感と白いドレスに身をまとう美しいスパイを演じる綾瀬はるかさんが印象的な映画ですね。
ある日、主人公であり女スパイである小曽根百合のもとに、陸軍から追われる身となっている少年・慎太が助けを求めてやってきて、彼女がその少年を守るために陸軍と戦いながらも、彼の持つ秘密に迫っていくというようなお話ですね。殺生をしないという百合のポリシーからもガンアクション版『るろうに剣心』といった雰囲気が出ています。
率直に言いますと、現状これが今年最も苦戦した調査です。今回メガホンをとった行定勲監督は淡々とした人間ドラマを重苦しく描く傾向があるため、アクション映画との相性が悪すぎました。
アクションは心躍るモノがない虚無。しまいには、監督のアクション映画への興味のなさからか、スモークや暗闇で詳細をぼやかしてアクションから逃げる始末。うーん⋯。
大正ロマンを感じる映像美を楽しむだけの作品ですね。
以上が今月の調査結果の内訳ですね。
こんな感じですが、ライトな層でも楽しめる作品は
①マイ・エレメント
②SAND LAND
③ミンナのウタ
の3本ですので、気になっている人は一度足を運んでみては?
最後に
今月はこんな感じですね。
うーん、報告するときにどう言おうか困ります。
確かに。「今月はこれだ!」というものはなかったな。
ですね。とにかく来月に期待です!
そうだな。また来月の調査でターゲットにする作品の分析も進めないとな。
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